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森岡執行役員は、USJをV字回復させ、「ハリー・ポッター」エリアの日本導入を実現させた立役者。『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』の著者としても有名です。 マスコミ向けプレビューでお忙しく飛び回る中、USJならではのこだわりや、米国のハリー・ポッターエリアとの違い、混雑解消のための新チケット導入など、ファンが今一番知りたいことを、公式発表に先駆けて、細かく丁寧に答えて下さいました！

ポッターマニア寺島（以下寺島）：まず、ハリー・ポッターファンにぜひ見て欲しいこと、建設中に気を遣った点などを教えて下さい。先程別のメディアのインタビューでは、トイレにまでこだわったとおっしゃっていましたが？

森岡毅CMO執行役員（以下森岡）：ええ。たとえば（嘆きのマートルが登場する）女子トイレにしても、日本のトイレは密室になっていますよね。でもホグワーツのトイレは、外国によくあるように、下が開いていて足が見えるようになっているんです。 だからUSJでも、下の部分を開けました。ふつう日本的に作るんだったら、完全に下までふさぐのですが。これは社内でも大激論になって、「盗撮されたらどうするんだ！」などと言われたりしましたが、前も横も、下の部分がバスっと開いているんです（笑）。

あと城の陽の当たり方。設定どおりのホグワーツの陽の当たり方になるよう、（ハリポタ映画やテーマパークで美術監督を務めた）スチュアート・クレイグが、城の向きを考え微調整しながら建てているんです。朝の（城の）見え方とか、夕陽の当たり方が、実はここ（門の前）に立ってもらうと、設定のホグワーツ城とほぼ一致した見え方になるように設計しているのです。向きも一致しているんですよ。

寺島：作者のJ.K.ローリングが（映画のために）描いたホグワーツの地図と同じにですか？

森岡：そう。JKRの頭の中にある陽の当たり方が体験できるように、城の角度を大阪の日照時間と日没時間、陽の高さを考えて設計して作ったのです。

寺島：門の羽根の生えたイノシシ像は、どの方角に向いているのでしょう？

森岡：いえ、あの（魔法の）世界では、東西南北という細かい設定はしていないんです。たとえば正午に城はどう見えているか、ということが再現されています。 基本的に（イノシシ像は）南に近いのですが、完全に南向きではありません。微妙に角度を調整しています。

それから夕方とか、トワイライトの見え方が完璧。夜見たときも、ものすごくきれいです。夜の方がきれいかもしれません。夜には窓に明かりが入って、窓1個1個の明かりの照度（ルクス）を調整し、高さに応じて見えるように造っているので、その辺のこだわりがすごいですよ！

あと光のタイプも、LEDがばちっとつくのではなく、設定の光に近いように水銀灯を持ってきて、微妙に照度を調整して……めちゃくちゃマニアックなことをやってます。 このように全部にこだわっているので3日あっても語り尽くせないですね。

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