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フライさんは、6日に公開されたコメディアンのリチャード・ヘリングさんのポッドキャスト・インタビューで2012年の自殺未遂を告白。

長年、双極性障害（≒躁うつ病Bipolar Disorder*）に苦しんでいるフライさんは「昨年海外で撮影中、ホテルで大量の睡眠薬とウォッカを飲み自殺を図った」と明かし、「危機一髪だった。（薬と酒のミックスで）体が激しくけいれんし、ろっ骨が4本折れたが、それでも意識不明のままだった。幸い撮影番組のプロデューサーが発見してくれて、すぐに治療のため英国に連れ戻された」と話しました。撮影した番組（or映画）が何であったかは明らかにしていません。

メンタルヘルス慈善団体「マインド」の会長を務めているフライさんは、自分自身のうつ病について話すべきだと感じたと述べ「 私は自分の精神状態の犠牲者。常に幸せというわけではない」と告白。「自分の（会長としての）役割は、恥ずかしがらずに、病気の状態や、ある種の気分障害を持つ人々に死の可能性があることを公表すること」と述べ、自殺願望に「理由はない。（死ぬ）理由がもしあるなら、人に説得してやめさせることができるし、自分で人生を終わらせるべきではないと言うことができる（でも理由がないからできない）」と話しています。

フライさんの自殺未遂は今回で2度目。1度目は18年前の1995年、酷評を受けたウエストエンドの舞台「セル・メイツCell Mates」をすっぽかして試みました。このときはフェリーで英国を脱出後、行方不明になり、死亡したのではないかと心配されましたが、ベルギーで発見されています。後にこのときのことを「英国を出る前、自分の車の中でガス自殺しようとした。でも自分を見つめる両親の姿が目に浮かび、やめたんだ」と明かしています。

カミングアウトをした後、フライさんは自身のツイッターで、心配したファンに対し「心配してくれて有難う。今は元気だ。いい薬があるからね。みんなに愛を」とツイートしています。

1957年にロンドン北部の高級住宅街ハムステッドに生まれたフライさんは、ケンブリッジ大学時代に、エマ･トンプソンさんやヒュー・ローリーさんらが所属するコメディ劇団「フットライツ」に参加。卒業後は俳優・コメディアン・作家として活躍し、BAFTA英国アカデミー賞の司会者としても広く知られています。

「ハリー・ポッター」では、英国版オーディオブックをパブリックスクールのポッシュなブリティッシュ・アクセントで朗読。J.K.ローリングさんの朗読会などでも司会を務め、2003年の『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』発売直後に行われた質疑応答会では、いきなりシリウス・ブラックが死ぬとネタばれしたことも（フライさんなので許された？笑）

BBCの人気クイズショー「QI」の司会者としても活躍し、2011年に 二重被爆者を笑いの種にしたと日本大使館から抗議を受け（汗）、 謝罪しています。

スティーブン・フライ　プロフィール

*双極性障害：双極性障害は躁と抑うつを特徴とし、通常はこれらが交互に現れる。正確な原因は不明だが、遺伝、脳内神経伝達物質濃度の変化、心理社会的要因が関与していると見られる。（メルクマニュアルで詳しく読む）