1972年12月29日英ロンドンのルイシャムに生まれる。母マーガレット・アン(ヘイワース)と父ピーター・ロバート・ローはともに教師だった。
本人によると、名前のジュードは、トマス・ハーディの小説『日陰者ジュード』とビートルズの名曲「ヘイ・ジュード」に因んで命名されたという。
【キャリア】
米アカデミー賞に2度ノミネートされ、英アカデミー(BAFTA)賞を1度受賞。最も引く手あまたの才能豊かな俳優のひとり。映画と舞台の両方で数多くの賞を受賞している。
キャリア初期に演じた97年の『オスカー・ワイルド』(共演:スティーブン・フライ、バネッサ・レッドグレーブ)のボジー役の演技でイブニング・スタンダード賞を受賞。また同年、未来を描いた『ガタカ』(共演:ユマ・サーマン、イーサン・ホーク)でアメリカ映画デビューを飾った。
故アンソニー・ミンゲラ監督の『リプリー』(99)で、魅力的なディッキー・グリーンリーフ役を演じ、世界中の観客の注目を浴び、米アカデミー賞とゴールデングローブ賞の最優秀助演男優賞に初めてノミネートされた。 同役でBAFTA賞を受賞。ミンゲラ監督とはそれ以降、『コールド マウンテン』(03)と愛と人生の葛藤を描いた『こわれゆく世界の中で』(06)で2度チームを組んでいる。『コールド マウンテン』では、米アカデミー賞とゴールデングローブ賞の最優秀主演男優賞にノミネートされた。
ほかに、クリント・イーストウッド監督の『真夜中のサバナ』(97)、デイビッド・クローネンバーグ監督の『イグジステンズ』(99)、ジャン=ジャック・アノー監督の『スターリングラード』(01)、サム・メンデス監督の『ロード・トゥ・パーディション』(02)、『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー』(04)、デイビッド・O・ラッセル監督の『ハッカビーズ』(04)、チャールズ・シャイア監督の『アルフィー』(04)、マイク・ニコルズ監督の『クローサー』(04)、マーティン・スコセッシ監督の『アビエイター』(04)、スティーブン・ザイリアン監督の『オール・ザ・キングスメン』(06)、ナンシー・マイヤーズ監督の『ホリデイ』(06/共演:キャメロン・ディアス)などがある。
07年、ケネス・ブラナー監督の『スルース』(共演:マイケル・ケイン)では出演だけでなく製作も務めた。 ウォン・カーウァイ監督初の英語映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(07/共演:ノラ・ジョーンズ)に主演。09年にベルリン映画祭でプレミア上映されたサリー・ポッター監督の『Rage』では、異性の服装で登場するモデル役でカメオ出演した。 また、大成功を収めたガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』(09)とその続編『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(11)でジョン・ワトソンを演じ、ロバート・ダウニーJr.と共演。
そのほか、ジョニー・デップ、コリン・ファレルととともに3人で主役を演じたテリー・ギリアム監督の『Dr.パルナサスの鏡』(09)、ミゲル・サポチニク監督の『レポゼッション・メン』(10)、マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』(11)、スティーブン・ソダーバーグ監督の『コンテイジョン』(11)、フェルナンド・メイレレス監督の『360』(11・未)にも出演し、アニメ『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』(12・未)では声の出演をしている。
舞台でも賞賛を浴びてきた。94年には、ジャン・コクトーの戯曲「おそるべき親たち」でミシェル役を演じ、オリビエ賞最優秀新人賞にノミネートされた。この舞台劇は、ブロードウェイに移ってタイトルを「Indiscretions」と変えて上演され、同役の演技でトニー賞最優秀助演男優賞にノミネートされ、シアター・ワールド賞を受賞した。
09年夏、ウエストエンドのドンマー・シアターでマイケル・グランデージ演出のシェイクスピア作品「ハムレット」に出演。同年後半にこの舞台劇はブロードウェイでも上演され、シェイクスピア劇の上演史上最大のヒット作となり、ボックスオフィスの記録を打ち破った。同作の演技で、ロンドン演劇批評家協会賞を受賞し、オリビエ賞、トニー賞、外国批評家協会賞、ドラマデスク賞にノミネートされた。 ほかの舞台作に、ロンドンのヤング・ヴィック・シアターで上演されたジョン・フォードの戯曲「あわれ彼女は娼婦」とクリストファー・マーロウの戯曲「フォースタス博士」、ドンマー・ウエアハウスで上演されたユージン・オニールの戯曲「アンナ・クリスティ」、マイケル・グランデージ演出によるウエストエンドのリバイバル作品「ヘンリー五世」などがある。
07年、映画への貢献を称えられ、権威あるフランスの芸術文化勲章シュバリエを受章し、同年にはセザール賞も受賞している。12年、有名な英インディペンデント映画賞バラエティ賞を受賞。慈善団体ピース・ワン・デーの大使も務めている。
16年、HBO放送のミニシリーズ「ピウス13世 美しき異端児」(共演:ダイアン・キートン)に出演。パオロ・ソレンティーノ企画/監督の同シリーズは、ベネチア映画祭でプレミア上映され、イギリスではスカイ・アトランティックでプレミア放送された。 同シリーズの10エピソードで、新たにローマ教皇に選任され、重責に苦悩するピウス13世を演じた。また、HBO放送の「ヤング・ポープ 美しき異端児」(共演:ジョン・マルコビッチ、シャロン・ストーン)にも出演した。
同年、多作の監督マイケル・グランデージと2度目のタッグを組み、『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』(共演:コリン・ファース、ニコール・キッドマン、ローラ・リニー)に出演し、アメリカ人小説家トマス・ウルフを演じた。 また17年、ガイ・リッチー監督の『キング・アーサー』でボーティガンを演じた。ほかの近作に、カレーニン役を演じたジョー・ライト監督の『アンナ・カレーニナ』(12)、高評価を得たスティーブン・ソダーバーグ監督の『サイド・エフェクト』(13/共演:ルーニー・マーラ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)、ケビン・マクドナルド監督の潜水艦を舞台にしたドラマ『ブラック・シー』(14)、ウェス・アンダーソン監督の賞受賞作『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)、ポール・フェイグ監督の『SPY/スパイ』(15・未/共演:メリッサ・マッカーシー、ローズ・バーン、ジェイソン・ステイサム)などがある。
17年春、ネオリアリズムの奇才ルキノ・ビスコンティ監督による1943年の映画『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の舞台版に出演。ロンドンのバービカン・シアターで上演されたこの作品は、オリビエ賞受賞歴をもつオランダ人演出家イボ・バン・ホーベが演出を務めた。
2019年はアンナ・ボーデン&ライアン・フレック監督のスーパーヒーロー映画『キャプテン・マーベル』に出演。
また、2020年にはリード・モラーノ監督のスパイサスペンス『リズム・セクション』(共演:ブレイク・ライブリー/日本未公開)にも出演した。
【私生活】
2023年12月現在、4人の女性との間に7人の子供がいる。結婚は2回。最初の妻は女優のサディ・フロスト(婚姻期間1997年9月2日〜2003年10月29日)、2度目は現在の妻フィリッパ・コーン(同2019年4月30日〜)。
子供の名は
Rafferty Law ラファティ・ロウ
Iris Law アイリス・ロウ
Rudy Indiana Otis Law ルディ・インディアナ・オーティス・ロウ
Sophia Burke Law ソフィア・バーク・ロウ
Ada Law エイダ・ロウ
フィリッパ・コーンとの子供の名前は不明
【私生活詳細】
映画『ショッピング』で共演した女優のサディ・フロストと1997年に結婚。ラファティ、アイリス、ルディの2男1女を設けたが、2003年に離婚。
翌2004年に映画『アルフィー』で共演したシエナ・ミラーと婚約したが、子守女性との浮気が発覚し破局した。
その後、米国人モデルのサマンサ・バークとの間に、4人目の子供ソフィアが2009年に誕生。
2015年にはシンガーソングライターの元恋人キャサリン・ハーディングとの間に第5子エイダが誕生した。
2019年4月に心理学者のフィリッパ・コーンと再婚、2020年に第6子、2023年2月頃に第7子が誕生した。
(Based on IMDb & プロダクション・ノート |