Dudley Demented / 狂ったダドリー(襲われたダドリー)

この夏一番の暑い日も終わりに近づき、眠気を誘う静寂が
プリベット通りの大きな四角い家々を包みこんでいた…
外に残っていたのはティーンエイジャーの少年ただ一人で
彼は4番地の花壇に仰向けに寝転んでいた。
ハリーが花壇に寝転んでいた訳は…?
4巻で蘇ってしまったヴォルデモート。彼らの動向を探るためハリーはテレビのニュースを聞こうとするが、バーノンおじさんやペチュニアおばさんと一緒だと怒鳴られて不愉快。そこで思いついたのが居間の窓の下の花壇。ここに隠れていれば快適ではないがTVの音は聞こえるし、ガミガミ言われることはない。しかしその晩聞こえてきたニュースはスペインの空港のストライキや水上スキーをするセキセイインコのバンジーちゃん(Five Feathers在住・笑)などで、殺人などの凶悪事件は放送されなかった。
ダドリーの変貌
ダドリーは「友人からお茶(夕食)に呼ばれた」と両親に嘘をつき毎晩外出していたが、もちろんお茶を飲んでいる訳はなく、近所の公園で物を壊したり、街角で喫煙したり、通り過ぎる車や子供に石を投げていたのだった。4巻でダイエットしたダドリーは、今や英国南東部中等学校ボクシング・ジュニア・ヘビー級チャンピオンに!近所の子供は皆なダドリーを恐れていた。
銃声のような音
ニュースを聞いていると、突然銃声のようなパーン(crack)という音が!ハリーは杖を抜いてサッと立ち上がるが、その拍子に窓に頭をぶつけてバーノンおじさんに見つかってしまう。なぜ窓の下でニュースを聞いていたのか尋問され、ハリーが音を立てた張本人ではないかと疑われる羽目に。
姿現わし?姿くらまし?
2人と言い合いの最中怒りがこみ上げて来て、ハリーは話の途中で立ち去ってしまう。あの銃声のような音は誰かが「姿現わし」か「姿くらまし」した時のものに違いない。ドビーがプリベット通りにやって来たのだろうか?それとも魔法を唱えた時の音ではないのだろうか・・(→2章)。
ハリーの怒り
誕生日に送られてきたハニーデュークスのチョコレートの箱には、ハーマイオニーからのカード(「すぐに会えると思うわ」と走り書きされていた)が入っていたが、「すぐ」って一体どの位「すぐ」のことなのか? 2人の手紙から想像するとロンとハーマイオニーは同じ場所で一緒に夏休みを過ごしているようだが…。隠れ穴にいるのだろうか? 何の情報も教えてもらえず、自分はプリベット通りに足止めされている間に2人が楽しく過ごしていることにハリーは怒りを感じた。。。(このあたりから「angry, furious, anger, his temper rising」といった「怒り」を表す単語が頻繁に出現し始める)
遊園地(公園)へ
ハリーは遊園地(公園)に忍び込みブランコに座って、自分が見た夢(長く暗い廊下と鍵の掛かった部屋)などについて考え始める。気がつくと遠くに帰宅途中のダドリー軍団が!ハリーは彼ら相手にうっぷんを晴らしたかったが、期待に反して彼らはハリーに気づかず、マグノリア通り向かって消えて行った。。
ダドリーのあだ名
結局ハリーはダドリーと出会ってしまい「いつからビッグ・ディーなんて呼ばれてるんだ?」と挑発してしまう。

Big D:ビッグ・ディー 〜ダドリーが子分から現在呼ばれているあだ名
Ickle Diddykins:ちっちゃなダドリー坊や〜子供の頃母親からこう呼ばれていた(以下同)。
Popkin:かわいこちゃん
Dinky Diddydums:ダドリーちゃん(ダッドちゃん)
ダドリーと口論
マグノリア・クレセント通りとウィステリア・ウォーク通りの間の狭い路地で2人は口論し、自分の寝言を指摘されたハリーは激昂してダドリーに杖を向けてしまう。突然辺りが真っ暗になり「目が見えない!何してるんだ、止めろ!」と叫び出すダドリー。冷気が辺りを包みこみ、2人以外に何かがいる気配がする、ガラガラと音を立ててゆっくりと呼吸する何かが…。それはディメンターだった。ダドリーに殴られハリーは地面に倒され、その拍子に杖を落としてしまうが、ルーモスを唱えると近くで灯りが点る。杖を手に入れたハリーは守護霊の呪文を唱えたのだった。。
フィッグばあさん登場
2人のディメンターは闇の中に消えたが、彼らがマグル界に現れたことにハリーはショックを受ける。ダドリーはブルブル震えすすり泣きしながら、体を丸くして地面に寝転んでいる。誰かが走ってくる音がして咄嗟にハリーは杖をしまうが、ゼイゼイ息を切らしながら現れたのはフィッグばあさんだった。買い物ネットをカチャカチャ手首からぶらさげ、白髪混じりのグレイヘアーはヘアネットから飛び出ている。タータンチェックの家庭用スリッパは半分脱げそうな状態で足にひっかかっていた。「杖をしまうんじゃないよ、バカな子だね! ディメンターがもし他にもいたらどうするのさ? マンダンガス・フレッチャーめ、殺してやる!」と、ひどくご立腹のご様子。。

 Mrs Figg フィッグばあさん
ダーズリー家の近くに住む猫好きばあさん。ホグワーツ入学前、ダーズリー一家が外出する間、ハリーはこのばあさんの家に預けられていた。ダンブルドアの昔の仲間の一人(→2章)。最近はハリーに会う度にしつこくお茶に誘うようになったというが…。
 Mundungus Fletcher マンダンガス・フレッチャー
ダンブルドアの昔の仲間の一人(→2章・6章など)。4巻ではクィディッチ・ワールドカップが終わったあと、魔法省に損害賠償を不正に請求しようとした、何となく胡散臭そうな人物。mundungusは古英語で「モンドンゴ」(ひどい臭いのタバコ)のこと。

Apparating, Disapparating
それぞれ「姿現わし」と「姿くらまし」という意味。現れる(消える)時にバックファイアーのような音がするらしい。2巻でドビーはパチッという鞭を鳴らすような音とともに消えたが…。
Expecto patronum!
「エクスペクト・パトローナム、守護霊よ来たれ!」この呪文を唱えると杖先から守護霊が出る。ディメンターに有効な呪文。ハリーの守護霊は牡鹿。

1章に登場する単語:怒った時に起こす行動など
provoke:挑発する
vent on 〜:(怒りなどを)〜にぶちまける、うっぷんを晴らす、〜に当り散らす
rash:軽率な Don't do anything rash!→軽はずみなこと(行動)はするな
keep one's nose clean:(口語)トラブルに巻き込まれないようにする、品行を慎む
cheek 人:(英略式)人に生意気な態度を取る(口をきく) 

日刊予言者新聞
ハリーは日刊予言者新聞を購読しており、毎朝ふくろうに配達料を払うため5時に起きていた。ヴォルデモートの記事が載る時はきっと1面で扱われるだろうと、最近ハリーはそれ以外のページに目を通していなかったが・・(→4章)




Original page date:7/16/2003
Last page update: 09/23/2006

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